【私の実体験】バックパッカー旅、不安で動けないあなたへ 〜 「最初の一歩」の踏み出し方
バックパッカー旅へ「行きたい」。でも、どうしても一歩が踏み出せないあなたへ
もしあなたが今、「バックパッカーとして世界を旅してみたい」という漠然とした思いを抱えながらも、様々な不安や疑問によって足がすくんでしまっている状況であれば、かつての私と全く同じかもしれません。
情報収集を始めれば始めるほど、「一体何から手をつければいいのか」「予算は本当に足りるのか」「危険な目に遭わないか」といった具体的な不安に加え、「自分にできるのだろうか」「途中で挫折しないか」といった内面的な不安も膨らんでくるものです。多くの情報が溢れる中で、何が正しくて、何が自分に必要なのかを見極めること自体が大きな壁のように感じられることもあります。
この壁を乗り越え、「最初の一歩」を踏み出すことは、想像以上に勇気がいることです。しかし、私自身の経験から言えるのは、その一歩を踏み出すことが、その後の人生観を根底から変えるほどの大きな可能性を秘めているということです。
この記事では、私がバックパッカー旅を始める前に抱えていた具体的な不安と、それをどのように乗り越えて最初の一歩を踏み出したのか、そしてその経験が私にどのような変化をもたらしたのかについて、実体験に基づいてお話ししたいと思います。今、不安で立ち止まってしまっているあなたの背中を、少しでも後押しできれば幸いです。
私がバックパッカー旅に踏み出せなかった、具体的な理由
私自身も、初めての長期バックパッカー旅に出る前は、様々な理由から一歩を踏み出すことに躊躇していました。情報収集は熱心に行っていましたが、それがかえって不安を増幅させていた部分もあります。
私が特に不安に感じていたのは、以下のような点でした。
- お金の不安: 長期旅行に耐えうるだけのまとまった資金をどうやって貯めるのか、現地でどれくらい使うのか、計算通りにいくのかといった、お金に関する漠然とした不安。
- 安全への懸念: 海外、特に発展途上と言われる国々での治安、スリや詐欺、強盗といった犯罪に巻き込まれるのではないかという具体的な恐怖。女性の一人旅であることも、不安を大きくしていました。
- 語学力の壁: 英語には多少の自信がありましたが、行く予定の国の中には英語があまり通じない地域もあり、コミュニケーションが取れないことへの不安。
- 計画の複雑さ: 膨大な情報の中から、ルート、宿、移動手段、観光スポットなどをどう計画すれば効率的で安全な旅になるのか、計画そのものが途方もない作業に感じられました。
- 孤独への恐れ: 一人旅を選んだものの、本当にずっと一人でやっていけるのか、心細くなった時にどうすればいいのかといった孤独に対する不安。
- 「普通」から外れることへのためらい: 周囲が就職活動を始める中で、自分だけが長期で旅に出るという選択が、社会的にどう見られるのか、将来への影響はないのかといった、レールから外れることへの漠然としたためらい。
これらの不安が頭の中でぐるぐると渦巻き、具体的な準備を進めようとしても、どこから手をつけて良いのか分からず、時間だけが過ぎていく感覚がありました。
「最初の一歩」を踏み出すために私が試したこと
不安を抱えたまま立ち止まっていた私が、どうにかして旅への最初の一歩を踏み出すために試したことがあります。それは、劇的な変化というよりも、不安を少しずつ小さくしていくための、地道な取り組みでした。
1. 情報収集の「質」を変える
最初はあらゆる情報を手に入れようとしましたが、情報過多で混乱するだけでした。そこで、情報収集の質を以下のように変えました。
- 完璧な情報収集は目指さない: 旅の全てを網羅する情報は不可能だと割り切り、まずは「出発に必要な最低限」に絞りました。例えば、最初の滞在国の基本的な情報、ビザの有無、航空券の予約方法、海外旅行保険の選び方などです。
- 信頼できる情報源を選ぶ: 個人のブログやYouTubeも参考にしつつ、大使館の公式サイト、外務省の海外安全情報、信頼できる旅行会社のサイトなど、公的機関や専門家の情報に重点を置くようにしました。
- ネガティブな情報への向き合い方: トラブル体験談なども参考にしましたが、過剰に恐れるのではなく、「こういうケースがあるのか」「その時どう対処したのか」という「対策」を学ぶ視点で見るようにしました。
2. 「完璧な計画」を手放し、「小さな目標」を設定する
壮大な旅の計画を一度に立てようとすると、途方もなく感じてしまいます。そこで、計画の考え方を変えました。
- まずは最初の国、最初の宿だけ決める: 全体のルートを決めず、まずは「どこか一カ国」に絞り、その国の最初の滞在先(ホステルなど)だけを決めることにしました。これにより、具体的なアクション(航空券の購入、最初の宿の予約)に進みやすくなりました。
- 具体的な期限を決める: 「〇月〇日までに航空券を買う」「〇月〇日までに海外旅行保険を決める」など、小さな目標を設定し、それらをクリアしていくことで「進んでいる」という感覚を得るようにしました。
- 「行き当たりばったり」の余地を残す: 全てを決めすぎず、現地で出会う人や情報によって計画を変える柔軟性を持たせることを意識しました。完璧に計画しなくて良い、という許可を自分に出すことで、肩の力が抜けたように思います。
3. 不安を具体的に書き出し、対策を考える
漠然とした不安は、頭の中にあるとどんどん大きくなりがちです。そこで、不安を具体的に書き出す作業を行いました。
- 不安要素をリストアップ: 紙に「お金がなくなる」「病気になる」「持ち物を盗まれる」「道に迷う」「誰とも話せない」など、思いつく限りの不安を書き出しました。
- それぞれの不安に対する対策を考える: 例:「お金がなくなる」→「予算を細かく計算する」「予備の資金を準備する」「最低限の生活費を知る」、「病気になる」→「海外旅行保険に入る」「常備薬を用意する」「現地の医療機関を調べる」など。具体的な対策を考えることで、「もしそうなっても大丈夫かもしれない」という安心感を得られました。
4. 経験者の声に触れ、「自分にもできるかも」を育む
実際にバックパッカー旅を経験した人たちのリアルな話を聞くことは、大きな勇気になりました。
- ブログやSNS、YouTubeを見る: 同じように不安を抱えながらも旅に出た人たちの体験談や、旅のリアルな日常に触れることで、「特別な人だけができることではない」「意外と何とかなるものだ」と感じられるようになりました。
- 旅関連のイベントに参加する: もし機会があれば、旅の経験者が集まるイベントなどに参加してみるのも良いでしょう。直接話を聞くことで、疑問を解消したり、具体的なアドバイスを得たりできます。
これらのステップを一つずつ踏んでいくうちに、漠然とした不安は「対処可能なリスク」へと変わり、少しずつですが旅への現実感と期待感が膨らんでいきました。そして、「とりあえず航空券だけ買ってみよう」と、最もハードルが高く感じていた行動に思い切って踏み出した時、私の中で何かが大きく動き出したのを感じました。
一歩踏み出したことで見えた景色と内面の変化
不安を抱えながらも、最初の一歩として航空券を購入し、最初の宿を予約した時、私はまだ旅の全てに対して自信があったわけではありません。むしろ、「本当にこれで良かったのか」という迷いすらありました。
しかし、実際に旅が始まり、初めての国に降り立った時、それまで頭の中で膨らんでいた不安は、現実の景色と感覚によって少しずつ書き換えられていきました。
もちろん、旅の途中では予期せぬ出来事や小さなトラブルは起こりました。言葉がうまく通じないこともありましたし、道に迷うことも、体調を崩すこともありました。計画通りに進まないことばかりでした。
しかし、その一つ一つの経験が、私に新たな気づきと変化をもたらしてくれたのです。
- 「何とかなる」という根拠のない自信: トラブルが起きても、周りの人に助けられたり、自分で考えて行動することで解決できたりする経験を積み重ねるうちに、「完璧に準備していなくても、何とかなるものだ」という、良い意味で肩の力が抜けた自信が身につきました。
- 状況判断力と適応力: 計画通りにいかない状況で、 Alternatives を考えたり、臨機応変に対応したりする力が養われました。これは、社会に出てからも非常に役立つ能力だと感じています。
- 不安に対する耐性: 旅の初期に感じていた漠然とした不安は、具体的なリスク管理の意識へと変わり、必要以上に恐れることがなくなりました。「不安を感じるのは自然なこと」「対策を考えれば大丈夫」と思えるようになりました。
- 自分自身への信頼: 困難な状況を乗り越えるたびに、「自分は思っていたよりもずっと強い」「一人でも生きていける」という、自分自身の力に対する確かな信頼が生まれました。
バックパッカー旅の「最初の一歩」は、物理的に国境を越えることだけではありませんでした。それは、「できるか分からない」という不安や「完璧でなければならない」という固定観念といった、自分自身の中に築いていた壁を乗り越える、内面的な一歩でもありました。
不安で動けないあなたへ伝えたいメッセージ
バックパッカー旅を始めたいという気持ちがあるにも関わらず、不安で最初の一歩が踏み出せずにいるのであれば、それはごく自然なことです。多くの人が同じように悩み、葛藤しています。
大切なのは、その不安を無視するのではなく、しっかりと向き合うことです。不安を具体的に分解し、自分なりに対策を考えてみてください。そして、完璧を目指さず、まずは「小さな一歩」から踏み出してみましょう。それは、情報収集の質を変えることかもしれませんし、最初の国の航空券を検索してみることかもしれませんし、経験者のブログを一つじっくり読んでみることかもしれません。
そして何より伝えたいのは、バックパッカー旅は、あなたの人生観を間違いなく揺さぶる経験になるということです。計画通りにいかない日常の中で、思いがけない人との出会い、美しい景色、そして自分自身の新たな一面を発見するでしょう。
不安を乗り越えて最初の一歩を踏み出した先に広がる世界は、あなたが想像するよりもずっと豊かで、あなた自身の可能性を大きく広げてくれるはずです。
立ち止まっているあなたへ、応援しています。