初めてのバックパッカー旅でかかったリアルな費用と節約術【私の実体験】
バックパッカー旅の費用は「何を求めるか」で大きく変わる
初めてのバックパッカー旅を計画する際、最も気になることの一つが「費用はどれくらいかかるのだろうか」ということではないでしょうか。期間が長くなるほど、その不安は大きくなるかもしれません。
旅の情報収集をする中で、「世界一周100万円」「東南アジア〇ヶ月10万円」といった情報を見て、一体自分にはどれくらいのお金が必要なのか、混乱することもあるかと思います。
私の実体験からお伝えできるのは、バックパッカー旅にかかる費用は、ルート、期間はもちろん、あなたが旅に何を求め、どのような価値観で行動するかによって、驚くほど大きく変わるということです。
この記事では、私の初めての海外長期バックパッカー旅で実際にかかった費用を公開し、その内訳や具体的な節約術、そして費用管理を通じて私が学んだことについてお話しします。単なる金額の情報だけでなく、旅の費用をどのように捉え、管理していくべきか、私の経験があなたの旅の準備の一助となれば幸いです。
私の初めてのバックパッカー旅の費用実績
私が初めて長期のバックパッカー旅に出たのは、大学を卒業してすぐのことでした。期間は約6ヶ月、訪れたのは主に東南アジアでした。具体的なルートはタイ、ラオス、ベトナム、カンボジア、マレーシア、シンガポールなどを巡りました。
この旅で実際にかかった総費用は、約80万円でした(日本からの往復航空券、海外旅行保険含む)。
高いと感じる方もいるかもしれませんし、意外と安いと感じる方もいるかもしれません。これはあくまで私の旅のスタイルでかかった費用です。内訳は概ね以下の通りです。
- 航空券(日本-バンコク往復): 約8万円
- 海外旅行保険: 約10万円(6ヶ月)
- 現地での滞在費(宿泊、食費、交通、観光、雑費など): 約62万円
つまり、現地で1ヶ月あたり約10万円強を使っていた計算になります。
この金額を多いと捉えるか少ないと捉えるかは、どのような旅をイメージするかによります。毎日高級レストランに行ったり、常にタクシーを使ったりすれば、あっという間にこの金額を超えるでしょう。逆に、徹底的に節約すれば、これを大きく下回ることも可能です。
費用を構成する主な要素と私の使い方
私の旅の費用を構成した主な要素について、具体的にどのように費用を使っていたかを掘り下げてお話しします。
1. 宿泊費
主にホステルのドミトリー(相部屋)を利用していました。一泊あたりの料金は国や都市によりますが、東南アジアでは500円〜1500円程度が多かったです。個室を利用したのは体調を崩した時や、どうしても一人になりたい時など、ごく稀でした。ホステルを選んだのは、費用が安いことに加え、他の旅行者との交流が生まれることを期待したからです。結果として、多くの出会いがあり、情報交換もできて非常に有益でした。
2. 食費
現地の屋台やローカル食堂を中心に利用していました。一食あたり200円〜500円程度でお腹いっぱい食べられる場所が多く、これが食費を抑える大きな要因でした。たまにカフェに入ったり、スーパーで買い物をしたりもしましたが、外食チェーンや観光客向けのレストランはほとんど利用しませんでした。その土地の食文化に触れることも旅の大きな楽しみだったため、安くて美味しいものを探すこと自体が冒険でした。
3. 現地交通費
国を跨ぐ移動は主に長距離バスや鉄道を利用しました。飛行機は、陸路での移動が困難な場合や、時間に余裕がない場合に限定しました。都市内の移動は、徒歩、バス、ソンテウ(乗り合いタクシー)、Grab(配車アプリ)などが中心でした。特にGrabは料金が明確で交渉不要なため、安心して利用でき、便利でした。公共交通機関をうまく活用することが、交通費節約の鍵でした。
4. 観光・アクティビティ費
入場料が必要な寺院や遺跡、国立公園などにはもちろん行きましたが、無料で見られる街並み散策や市場の見学なども同じくらい楽しんでいました。オプショナルツアーは厳選し、本当に体験したいものだけに参加しました。高価なアクティビティよりも、地元の人々の暮らしや文化に触れるような体験を優先することが多かったです。
5. その他費用(通信費、保険、雑費など)
通信は現地のSIMカードを購入して利用しました。日本で海外Wi-Fiをレンタルするよりも格段に安く済みます。海外旅行保険は万が一に備えて必須と考え、信頼できる会社のものを比較検討して加入しました。その他、日用品やちょっとしたお土産代などが雑費としてかかります。
私が実践した具体的な節約術
私の旅のスタイルは、極貧旅行というわけではありませんでしたが、費用を意識しながら賢く旅することを心がけていました。いくつか実践していた節約術をご紹介します。
- 移動は可能な限り陸路で: 長距離バスや鉄道は飛行機より時間がかかりますが、費用は抑えられます。また、国境越えの雰囲気など、陸路ならではの体験もあります。
- 宿泊はホステルのドミトリー: 費用が安いだけでなく、情報交換や交流の機会にも恵まれます。多くのホステルには共用キッチンがあり、自炊することも可能です。
- 食事はローカル食堂や屋台: 地元の人々が利用する店は、安くて美味しいことが多いです。現地の食文化を深く知ることもできます。
- スーパーや市場を活用して自炊: 毎食外食するのではなく、スーパーで食材を買って自炊すれば、食費を大きく節約できます。現地の市場を見て回るのも楽しい経験です。
- 無料・低価格のアクティビティを楽しむ: 観光名所だけでなく、公園でのんびりしたり、市場を散策したり、街を歩くだけでも多くの発見があります。無料で開催されているイベントを探すのも良い方法です。
- 現地のSIMカードを利用: 空港や街中の携帯ショップで現地のSIMカードを購入し、データ通信を利用するのが最も経済的です。カフェなどの無料Wi-Fiも積極的に利用しましょう。
- 不要な買い物を避ける: 旅先では魅力的なものが多くありますが、本当に必要か、自分の荷物になるかをよく考えて購入しました。
費用管理で失敗したこと、そこから学んだこと
私の旅は概ね予算内に収まりましたが、いくつか費用管理で反省点や学びがありました。
例えば、旅の序盤で「せっかくだから」という気持ちが強くなり、観光名所の入場料やアクティビティにお金をかけすぎた時期がありました。結果として、想定より早くお金が減っていくことに気づき、後半は少し節約モードになってしまいました。
また、予備費を少なめに見積もっていたことも反省点です。幸い大きなトラブルはありませんでしたが、体調を崩して個室に泊まったり、急な予定変更で飛行機を使わざるを得なくなったりすると、想定外の出費が発生します。最低でも総予算の1〜2割は予備費として持っておくことの重要性を痛感しました。
これらの経験から学んだのは、予算はあくまで目安であり、柔軟な対応が必要だということです。そして、何にお金を使うか、優先順位を明確にしておくことが大切だと気づきました。全てのやりたいことをやるにはお金が足りないかもしれません。その中で、自分にとって最も価値のある体験は何かを見極めることが、満足度の高い旅につながります。
費用管理を通じて見つかる、お金では買えない価値
バックパッカー旅では、どうしても費用に目が行きがちです。しかし、費用管理を通じて私が得た最も大きな学びは、「お金」という制約の中で、自分は何を大切にしたいのか、どのような経験に価値を見出すのか、という問いに向き合う機会が得られたことです。
限られた予算の中で、食事の選択一つ、移動手段の選択一つにしても、常に自分で考え、判断する必要があります。それは単なる節約ではなく、自分の価値観に基づいて意思決定を行う訓練になりました。
また、お金をかけなくても、現地の人々との温かい交流、息をのむような夕日、美味しい屋台飯、偶然見つけた美しい景色など、お金では買えない素晴らしい経験が旅には溢れています。むしろ、物質的な豊かさから離れることで、そうしたささやかな瞬間の価値に気づきやすくなるのかもしれません。
費用管理は、旅の目的を達成するための手段です。単にお金を節約すること自体が目的ではありません。賢く費用を管理することで、より長く、より深く、そしてより自分にとって価値のある旅を実現することができるのです。
まとめ:あなたの「価値」を見つける旅のために
初めてのバックパッカー旅の費用は、未知数で不安に感じるかもしれません。しかし、私の実体験が示すように、計画と工夫次第で、長期の旅も十分に現実的な費用で実現可能です。
この記事でご紹介した私の費用実績や節約術は、あくまで一例です。あなたの興味や旅のスタイルに合わせて、自分なりの予算計画を立ててみてください。そして、費用管理を通じて、あなたが旅に求める本当の価値を見つけてください。
旅の費用は、単なる数字ではありません。それは、あなたが旅を通じてどのような経験をし、どのような学びを得たいのか、その意思を反映するものです。賢くお金と向き合い、あなたにとって最高のバックパッカー旅を実現してください。応援しています。