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【私の実体験】長期バックパッカー旅でモチベーションが続かない時、私がやった3つのこと

Tags: バックパッカー, 長期旅, モチベーション, メンタルヘルス, 一人旅

長期旅につきもの?モチベーションの波にどう向き合うか

バックパッカーとして海外を長期で旅するというのは、想像以上に体力も精神力も使うものです。憧れや高揚感を持って旅立っても、毎日が刺激的で楽しいことばかりとは限りません。慣れない環境での連続、言葉の壁、文化の違い、予期せぬトラブル、そして何より、一人で旅を続けることによる「孤独」や「先の見えない不安」が、時に旅への情熱を冷めさせてしまうことがあります。

私もかつて長期のバックパッカー旅をしている最中に、何度か「もう旅を続けるのがしんどい」「何のためにここにいるのだろう」と強く感じ、モチベーションが大きく低下した経験があります。それは、いわゆる「旅の疲れ」だけでなく、目標を見失ったり、一人でいることに耐えられなくなったりと、様々な要因が重なった結果でした。

しかし、そういったモチベーションの低下期を乗り越えるたびに、旅はさらに深みを増し、自分自身についてより多くのことを学ぶことができました。今回は、私が実際にモチベーションが続かなくなった時に試して効果があった具体的な3つのことと、その経験から得た学びについてお話ししたいと思います。

私がモチベーション低下時に試した3つのこと

長期旅の途中でモチベーションが下がってしまった時、私は立ち止まり、意図的にいくつかの行動を取りました。

1. 一旦「旅」から距離を置く時間を作る

毎日違う街へ移動し、新しいものを見続けるのは刺激的ですが、同時に大きな消耗でもあります。モチベーションが下がっている時は、無理に観光したり移動したりするのをやめ、意図的に同じ場所に長く滞在する時間を作りました。

例えば、居心地の良いゲストハウスを見つけて数日間連泊したり、小さな町でアパートを借りて自炊をしながら暮らすように過ごしたりしました。観光名所を巡るのではなく、地元のスーパーで買い物をしたり、カフェでぼーっと人間観察をしたり、公園で本を読んだり。いわゆる「暮らすような旅」に近い状態です。

こうすることで、旅のペースを大幅に落とし、心身を休めることができました。情報収集や計画立案の必要もなくなり、考える時間が増えたことで、なぜ自分は旅に出たのか、これからどうしたいのかといった旅の原点や将来について、落ち着いて向き合うことができたのです。無理に前へ進もうとせず、一度立ち止まる勇気が、結果的に再び歩き出すためのエネルギーを蓄えることにつながりました。

2. 誰かに「話す」機会を持つ

一人旅が長くなると、自分の考えや感情を誰かに話す機会が極端に減ります。SNSでの発信はできますが、リアルタイムで心の機微を共有するのとは違います。孤独感が募ると、ネガティブな考えに囚われやすくなり、それがモチベーション低下に拍車をかけます。

私は、モチベーションが下がっている時こそ、積極的に誰かに話しかけるようにしました。具体的には、ゲストハウスのスタッフや他の旅人に積極的に話しかけたり、可能であれば日本の家族や友人に電話をかけたりしました。

他愛もない会話でも、自分の内にある不安や悩みを言葉にするだけで、気持ちが整理されたり、客観的に自分を見つめ直すことができたりします。また、他の旅人も多かれ少なかれ同じような経験をしていることが多く、共感を得られたり、意外なアドバイスをもらえたりすることもありました。「自分だけじゃないんだ」と感じられるだけで、心はだいぶ軽くなるものです。

もちろん、言葉の壁がある場所では難しいこともありますが、それでも表情やジェスチャーで伝えようとすること、そして相手の言葉に耳を傾けようとすること自体が、外に開く行為であり、内にこもりがちな心をほぐしてくれました。

3. 小さな「達成感」を積み重ねる

長期旅は大きな目標を持って出発することが多いと思いますが、その目標があまりに大きいと、道中で自分が全く進んでいないように感じてしまい、無力感からモチベーションが低下することがあります。

そこで私は、日々の小さな目標を設定し、それを達成することに意識を向けました。例えば、「今日は地元の市場で買い物をしてみる」「この町の特定の場所に歩いて行ってみる」「ホストファミリーに簡単な日本語を教えてみる」といった、その日、あるいは短期間で達成できる具体的な行動です。

大きな移動や壮大な景色を見ることだけが旅の成果ではありません。小さな目標を設定し、それをクリアしていくことで、「自分は前に進んでいる」「何かを成し遂げた」という肯定的な感覚を取り戻すことができました。この小さな達成感の積み重ねが、再び大きな目標に向かうための自信となり、旅を続ける原動力になってくれたのです。困難を感じている時こそ、日常の中に小さな楽しみや目標を見つけることが大切だと学びました。

モチベーション低下を乗り越えて見えたこと

モチベーションが続かないという経験は、決してネガティブなだけではありませんでした。むしろ、旅の道のりが平坦ではないことを知り、心の準備ができたことは大きな収穫でした。そして、そうした困難に直面し、自分なりに向き合い、乗り越えようと行動した経験は、旅のスキルだけでなく、人生における困難を乗り越えるための内面的な強さを育んでくれたと感じています。

旅の途中で立ち止まること、誰かに頼ること、小さな一歩を踏み出すこと。これらは一見すると「後退」や「遠回り」のように思えるかもしれません。しかし、私にとっては、それこそが旅をより深く味わい、自分自身をより深く理解するための重要なプロセスでした。

モチベーションの波があるのは自然なことです。もしあなたがこれから長期のバックパッカー旅を計画していて、あるいは現在旅の途中でモチベーションが下がっているとしたら、どうか自分を責めないでください。そして、今回ご紹介したような方法を試してみていただけたら嬉しいです。

まとめ:旅のペースは自分次第

長期バックパッカー旅におけるモチベーションの維持は、旅の成功を左右する重要な要素の一つです。私が経験から学んだのは、モチベーションが低下した時は、無理をせず、立ち止まる勇気を持ち、周囲に助けを求め、そして日常の中に小さな喜びを見つけることの重要性でした。

これらの経験を通じて、私は旅のペースは他人のものではなく、自分自身が決めるものだということを心から理解しました。そして、旅先での困難や内面的な葛藤もまた、旅の一部であり、自分自身を成長させる貴重な機会なのだと受け止められるようになりました。

これから旅に出る方も、すでに旅をしている方も、この記事があなたの旅のモチベーションを保ち、そして困難を乗り越えるための一助となれば幸いです。あなたの旅が、あなた自身の人生観を揺さぶる、素晴らしい経験となることを願っています。