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【私の実体験】女性一人バックパッカー旅、私が安全のために実践したことと、旅で得た自信

Tags: 女性一人旅, バックパッカー, 安全対策, 海外旅行, 実体験

女性一人旅に一歩踏み出す前の、正直な不安

バックパッカーとして世界を旅することを決めた時、期待と同じくらい、いやそれ以上に大きかったのが「不安」でした。特に私は女性の一人旅だったので、「安全」について考え始めると、情報過多も相まって、身動きが取れなくなるような感覚に陥ることもありました。

大学卒業を前にして、「このまま社会人になっていいのだろうか」「もっと広い世界を見てみたい」という思いからバックパッカー旅を計画されている方の中には、同じような不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。特に女性の場合、男性とは異なるリスクや注意点があるように感じられ、情報収集に疲れてしまうこともあるかと思います。

この記事では、私自身のバックパッカー旅の経験から、女性一人でも安全に旅をするために実践した具体的な対策と、危険に遭遇しそうになった時にどう対処したか、そして何よりも、安全への意識を持ちながら旅を続けたことで得られた大きな自信についてお話ししたいと思います。

私が安全のために実践した具体的なステップ

私の旅のテーマの一つは「自分を守る」ことでした。これは物理的な安全はもちろん、心身の健康、そして精神的な安心感も含みます。特に女性一人旅においては、これらの要素全てが旅の質を大きく左右すると感じています。

1. 事前の徹底した情報収集と「リスクの想像力」

出発前、私は行きたい国や地域について、かなり入念に情報収集をしました。外務省の海外安全ホームページ、各国の観光局サイトはもちろん、個人の旅行ブログやSNSも参考にしました。この際、単に観光情報だけでなく、「その地域で起こりうるトラブル」や「注意すべきエリア」、「一般的な詐欺の手口」といったネガティブな情報も積極的に集めました。

重要なのは、集めた情報から「どのようなリスクがあるか」を具体的に想像することです。例えば、「〇〇という場所はスリが多い」という情報があれば、「では、その場所に行くときはリュックを体の前に抱えるようにしよう」「財布は分散して持とう」といった具体的な対策に落とし込んで考えました。この「リスクの想像力」を持つことが、単なる知識として知っているだけでなく、実際の行動に結びつける第一歩だったように思います。

2. 宿選びは「安全性」を最優先に

バックパッカー旅の宿といえばホステルやゲストハウスが一般的ですが、女性一人旅の場合、宿選びは特に慎重に行いました。私が重視したのは以下の点です。

少し値段が高くても、立地やレビューが良い宿を選ぶことで、夜遅くに到着した際や早朝に出発する際の不安を軽減できましたし、宿にいる間も安心して過ごすことができました。

3. 「目立たない」ことと「断る勇気」

旅先では、必要以上に目立つことを避けるように心がけました。高価な装飾品はつけず、派手すぎる服装は避けるなど、現地の雰囲気に馴染むような格好を意識しました。また、スマートフォンやカメラをずっと手に持っていると狙われやすいという情報があったため、必要な時以外はカバンにしまうようにしていました。

特に重要なのは、「断る勇気」を持つことです。親切に話しかけてくれる人もたくさんいますが、中には悪意を持った人もいます。少しでも「おかしいな」「怖いな」と感じたら、笑顔で、でもはっきりと「ノー」と言うことが大切です。「せっかく話しかけてくれたのに悪いな」といった遠慮は、自分の安全よりも優先すべきではありません。実際に、この「直感を信じて断る」という行動が、怪しい状況から身を守ることに繋がった経験は何度かありました。

4. 貴重品の管理と分散

お金、パスポート、クレジットカードは最も重要な貴重品です。これらを一箇所にまとめておくのではなく、いくつかの場所に分散して持つようにしました。例えば、メインの財布とは別に、腹巻き状の隠しポーチや服の内ポケットにも少額の現金や予備のカードを入れておきました。

また、パスポートやクレジットカードのコピー(物理的なものと、クラウドストレージに保存したデジタルデータ)も用意しておきました。万が一、これらを紛失したり盗まれたりした場合でも、手続きがスムーズに進むように備えることは非常に重要です。

トラブル体験談と、そこから学んだ冷静な対処法

幸いなことに、私の旅で命に関わるような危険なトラブルはありませんでした。しかし、少しヒヤリとする経験や、注意していなければ危なかったかもしれない状況はいくつかありました。

例えば、ある国のバスターミナルで、親切を装った人が「このバスに乗ればいいよ」「切符を買ってあげる」と近づいてきた時です。事前にその手口を情報収集していた私は、「これはよくある詐欺かもしれない」と冷静に判断し、曖昧な返事をしながら距離を置きました。その後、自分で正規の窓口を探して切符を購入しましたが、もし知識がなければ、言われるがままにお金を払ってしまい、偽の切符を掴まされていたかもしれません。

また、別の国では、夜に宿まで歩いている途中で、酔っ払いらしき男性に絡まれそうになったことがありました。すぐに近くの店に駆け込み、店員さんに助けを求めました。この時、事前に「危ないと思ったらすぐに人通りの多い場所や店に逃げ込む」という対策を考えていたことが役立ちました。暗い夜道を一人で歩くこと自体がリスクであると認識し、普段から周囲への注意を怠らないことの重要性を痛感しました。

これらの経験から学んだのは、危険は予期せぬ形でやってくる可能性があるということ、そして、パニックにならず、事前に考えた対策やその場の状況判断に基づいて冷静に行動することの重要性です。そして、困った時はためらわずに現地の人や公的な機関に助けを求めることも、身を守るために必要な行動だと学びました。

安全への意識が、旅で得た「自信」に繋がった

安全に対する不安を抱えながらも、私は旅を続けました。その過程で、情報収集の重要性、事前の準備、そして危険を察知する自分の直感を信じることなど、具体的な対策を一つ一つ実践していきました。

危ない目に遭いそうになった時も、事前の知識と冷静な判断で乗り越えられた経験は、「自分は一人でも大丈夫なんだ」という大きな自信に繋がりました。世界には親切な人がたくさんいますが、同時にリスクも存在します。そのリスクを理解し、それに対処するためのスキルを身につけることで、単に運が良かったのではなく、「自分で自分の安全を守れた」という実感を持つことができました。

この自信は、旅が終わって日本に帰国してからも、私の人生に影響を与え続けています。困難な状況に直面した時も、「あの旅を乗り越えられたのだから、これもきっと乗り越えられる」と思えるようになりました。自分で考え、自分で判断し、行動することの価値を、安全に旅を続けた経験を通して学ぶことができたのです。

まとめ:不安を力に変えて、自分だけの旅を

女性一人でのバックパッカー旅は、確かに不安を感じる場面もあるかもしれません。しかし、適切な情報収集と事前の準備、そして旅先での注意力を持ち続ければ、安全に旅をすることは十分に可能です。

私が旅を通して得た最も大きな収穫の一つは、この「自分で自分の安全を守りながら、未知の世界を歩くことができた」という経験から生まれた自信です。この自信は、あなたの大学卒業後の進路選択や、これから先の人生において、きっと大きな支えとなるはずです。

もしあなたが、安全面での不安からバックパッカー旅に踏み出せずにいるのなら、まずは一歩踏み出すための情報収集から始めてみてください。そして、「リスクを想像し、具体的な対策を考える」というプロセスを試してみてください。不安をゼロにすることは難しいかもしれませんが、それを「安全に旅をするための行動」へと繋げる力に変えることはできます。

あなたの旅が、安全で、そして自分自身を深く知る素晴らしい機会となることを願っています。